正統竹内文書においては、「かな」の語源は「神字」(カムナ)とされている。神代文字とカナ文字のちがいは・・。
カナ文字はローマ字に対応する五十音で作られているが、神代文字は母音八音(静音と濁音)それと天津太祝詞で使われている秘密文字の、計八十八音で作られていると言います。
今回は、当時の日本語の元である母音八音(静音と濁音)についてお話ししたいと思います。
五母音説
通常の日本語においては「イ」と「ゐ」、「エ」と「ヱ」、「オ」と「を」の音が同じ音となっており、ローマ字表記に対応しています。
「アメツチ」 「ホシソラ」 「ヤマカワ」 「ミネタニ」 「クモキリ」 「ムロコケ」 「ヒトイヌ」 「ウエスエ」 「ユワサル」 「オフセヨ」 「ヱノイェ」 「ヲ」 「ナレヰテ」 トナリマス。
これを漢字にすると、わかりやすいです。
「天地 星空 山川 峯谷 雲霧 室苔 人犬 上末 湯輪猿 追ふせよ 榎の枝 を 慣れ居て」 となります。
これらが、竹内古神道の世界で「天地寿詞」(あめつちのうた)と呼ばれ、古神道における言霊学の基本とされています。
神代文字が五母音で書かれているのが、偽作である証拠だと言う説もありますが、実はそうではないことがこのような記録にはちゃんと残っています。
古代天皇家の文字
古代天皇家の文字の中で、「ス」と「ユ」は、二つの神殿「主基殿:すきでん」と「悠紀殿:ゆきでん」のそれぞれ(図表)の中心に来る文字となっています。
「主基殿」とは、ア行からナ行の表部分(二十五文字の集まり)
「悠紀殿」 とは、ハ行からワ行の表部分(二十五文字の集まり) を言います。
五十音は各々が 言霊 であり 神 である事から、 主基殿 の「ス」は表の神の頂点 即ち「天皇」であり、 悠紀殿 の「ユ」は裏の神の頂点 即ち「竹内宿禰:たけのうちのすくね」であるとされています。
つまり、表の神は「北朝」の天皇で、裏の神が「南朝」の天皇(竹内宿禰)となる訳です。
( 十六とは、古代日本の民族が日本から世界十六方位に散っていったことを表していると言われています。)(竹内睦奏氏 談)
八十八音の図については秘伝となっているため、私たちが目にすることはできません。
また、これらは 図形にする行法もあり 敢えて文字で伝えず図で表して伝えることで連絡を取り合うこともあったと言います。
それは、「円象八線図」(えんしょうはっせんず)といい、落合直澄はこれを「真正兆図」(しんせいまちがた)と呼んでいました。
この文字は、奈良県の吉野郡 十津川村の 玉置神社に残っており、南朝天皇家の文字であり 古代天皇家の文字として隠匿されていました。
時に呪術として使用される言霊の力により人間を支配し、それを文字に表すことで空間(世界)を支配し、歴史を隠すことで時間を支配したと言われています。
そして、これこそが「ユ」(裏の神)の務めだと竹内睦奏氏は語っています。
日本を動かす二つのちからは、文字通り 表裏一体 となっているわけです。
一つの音が・・” 一言一義 ” と ” 一言多義 ”
そして言霊学における「ス」と「ユ」には、更に別の意味も隠されているのです。
一言一義とは、一つの言霊に一つの意味を持たせること。
一言多義とは、 一つの言霊に複合的な意味を持たせること。
一言一義の解釈による、ちからの方向性
「ス」とは、”中心”という意味で、中心に向かってちからが集まってくる姿を表し、ある一か所に向かってエネルギーが集まってくる事を表しています。
( 統一(統べる)という意味 )
一方で、
「ユ」とは、中心から外に向かって ちから(エネルギー)が拡散してゆく状態を表しています。
( 転換し、湧き出ると言う意味 )
これは一種の癒しでもあり、悪いものが取り払われどんどん拡散することで希薄になってゆくことを示しています。また、新たなものの誕生へと繋がる。
人間社会においても、人の気持ちや関心が集まる「ス」や 何らかの力が放たれ拡散してゆく「ユ」をを表しているのです。
これらは、古神道の世界では 秘術(呪術)として伝承されている奥義の一つでもあります。
このように、五十音の言霊は「二つのちから」(スを中心とする言霊、ユを中心とする言霊)の方向性の違いを持っています。
カタカムナウタヒの文字列も中心の 八咫鏡(ヤタノカガミ)に向かって集中していく ”力:ちから” と そこから放出・拡散してゆく”力:ちから”を表す渦巻き構造で描かれています。
八咫鏡(ヤタノカガミ) は、中心であり、根源であり、転換点であり 神そのものでもあります。
竹内文書を読み進めていくと、人(日本と世界)の歴史が少しだけ見えてきますが、偏重した究極の国粋主義者とも受け止められかねない内容が書かれています。
しかし、偏見を捨て、つまらぬプライドに左右されないよう本能に従って考えていると、全てがつくり事とは思えないのです。
歴史は勝者が創ってゆくと言われますが、真実がどこにあるのか勇気をもって知ることが大切ではないでしょうか。
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