光明真言って何ですか?これを唱えるとどうなるのか。

光明真言

光明真言とは、真言宗においてもっともよく唱えられている、大日如来の真言です。正式には、不空大灌頂光真言[ふくうだいかんぢょうこうしんごん]と言います。

 

光明真言は大日如来への「祈りの言葉」

 

この真言は、『不空羂索神変真言経』(ふくうけんじゃくじんぺんしんごんきょう)または『不空羂索毘盧遮那仏大灌頂光真言』(ふくうけんじゃくびるしゃなだいかんじょうこうしんごん)という、密教経典に説かれているもので、 真言宗においてもっともよく唱えられている、大日如来のご真言です。

 

梵字で書かれたものをそのまま発音します。

発音と意味 (参考:WebLio辞書)

 

不空なる御方( 不空成就如来 )よ 毘盧遮那仏(大日如来)よ
偉大なる印を有する御方( 阿閦如来)よ  宝生如来 よ 蓮華 (阿弥陀如来)よ
金剛界五仏 (五智如来)の 光明を 放ち給え ウン (聖音)

amogha(アボキャ)は不空成就如来を、vairocana(ベイロシャノウ)は大日如来を、mahā-mudra(マカボダラ)は阿閦如来を、maṇi(マニ)は宝生如来を、padma(ハンドマ)は阿弥陀如来を指すと解釈され、金剛界五仏(五智如来)に対して光明を放つように祈願している真言である。

 

「不空羂索毘盧遮那仏大灌頂光真言(不空訳)」によると・・

 

  • 過去の一切十悪五逆四重諸罪や、一切の罪障を除滅する。
  • 十悪五逆四重諸罪によって、地獄・餓鬼・修羅に生まれ変わった死者に対し、光明を及ぼして諸罪を除き、西方極楽国土に往かせる。
  • 先世の業の報いによる病人に対し、宿業と病障を除滅する。

などの功徳や利益が説かれているとされる。

 光明真言動画

 

光明真言が広く唱えられたわけ。

 

鎌倉期初頭、日本は末法思想が流行した(お釈迦様入滅後500年間は仏法の世、それ以降は、末法の世㊟とされている)ことによって、浄土教信仰が武家をはじめ民衆に広がった。ただ「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで、死後誰もが必ず救われるという、安易で単純明快な教えがこれに拍車をかけることとなった。

㊟( 末法の世 とは、仏の教えが人民の心から消え去り、仏法を知らぬ人間の欲望だけが膨らんでゆく世界とされている)

 

そこでこの事態を危惧した明恵上人などにより、浄土教の「南無阿弥陀仏」に対抗する、庶民でも親しみやすいものとして普及させたのが光明真言だった訳です。

 

そもそも「真言」とは何か。

 

真言とは「仏陀や菩薩が説かれた、偽りのない真実をあらわす、聖なる言葉」です。しばしば、真言の冒頭には、「オン(正しくはオーム)」という文字がありますが、この部分の翻訳は出来ません。「オン(オーム)」という言葉から発せられる音自体が、「聖なるもの」とされていのです。

祈りを捧げる合図と言いましょうか、神道における柏手のようなものです。

仏教では、真実をあらわす言葉には、願いを実現する力があると考えます。  真実をあらわす聖なる言葉たる真言を口に唱える(音として発する)ことによって、智慧を得、諸々の罪障を滅し、福徳を得ることなどを願うのです。

真言は、インド古来の聖なる言葉であるサンスクリット(いわゆる梵語)で説かれており、伝統的にこれを別の言語に訳してはいけないとされています。

 

光明真言もサンスクリットから日本語等に訳して唱えることはできません、真言は経典の発音どおりに唱えなければならないものです。梵字やその発音は魂を宿す、つまり言霊ですね。

 

五鈷杵

 

漢字の使用で発音が変わってしまったご真言

 

漢字が使われることにより、現代の日本で用いられている真言の発音と本来の発音とはかなり違ったものとなっているようです。

そもそもサンスクリットには、母音には16の長母音・短母音とがあります。例を上げると、サンスクリットには、日本語の「え(e)」・「お(o)」という母音はなく、「e」と・「o」は長母音であるため、「エー」・「オー」と必ず伸ばして発音します。

 

たとえば、最近日本で流行している「ヨガ(Yoga)」。サンスクリットに「ヨーガ」はありますが「ヨガ」という言葉はありません。

つまり、現在日本で広く唱えられている光明真言は、いうならば訛ってしまった別のものと言うことになってしまいます。

 

慈雲尊者の見解

 

江戸中期、独学でサンスクリットを相当高いレベルまで習得した、慈雲尊者という偉大な比丘(びく)㊟がいます。

㊟ 比丘(びく)とは、仏教において出家し、具足戒を守る男性の修行者である。女性の出家修行者は比丘尼(びくに)という。

尊者は、光明真言が本来の発音と相当違っていることに気付いており、出来うる限り本来の発音で唱えるようにしましたが、一方で伝統的な読み方を否定はしませんでした。

なぜならば、本来の発音とは異なっていても、光明真言の功徳が甚大であることの逸話などが数多く伝わっており、その伝統を尊重したのだそうです。

もしサンスクリット原典の発音で唱えたいという人は、一度挑戦してみるのもいいかもしれませんね。

そわか( 薩婆訶 )

  

真言宗泉涌寺派大本山 法楽寺 様 サイトより 学ばせていただきました。

 

カテゴリー:古史古伝から学ぶ、真・日本古代史!  日本古代史を読み解く、ホツマツタヱ・竹内文書・カタカムナ。

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